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後継者の選び方と教育

経営者が、ご自身の後継者を決める際には、当然ながら次期経営者としての資質がある人を選ぶ必要があります。過去には経営者の長男が事業を承継するケースが数多くみられました。しかし、外部環境の変化が激しい昨今、自社の経営を取り巻く様々な問題や課題にうまく対応しながら、事業を継続・成長させていくことが出来る人材をご自身の後継者として選定することが望まれます。

また、後継者の育成に必要な期間について、「5~10年くらい前(29.4%)」「5年くらい前(24.8%)」(中小機構『事業承継実態調査報告書』)と答えた経営者は5割以上にのぼります。

経営者の育成は、一朝一夕に行えるものではありません。また、手塩に掛けて育ててきた後継者が承継を目前に控えた段階で、いきなり引き継ぎを放棄してしまうという事もあり得ます。経営は一度やると決心したら簡単にやめられるものではありませんので、後継者を選ぶ際には、明確な選定基準を決めておく必要があります。

後継者の選定

後継者の選定基準としては以下の資質を持っていることが重要です。

  • 明確な経営ビジョン
  • 経営から逃げ出さない覚悟
  • 経営を全うするという意欲
  • 実務能力

もし、後継者候補として考えている人物が複数いる場合は、判定基準を示した上で選定を進めないと、トラブルに発展することがあり得ますので注意が必要です。

後継者への教育

経営者の役目の一つに、後継者にふさわしい人材を育てることがあります。その為、ご自身の後継者を選定した後は、選ばれた後継者が次期経営者として必要な実務能力や心構えを習得するため、経営者としての才覚を発揮できるよう、経営手法など「社長の帝王学」を社長自ら教育していきます。

後継者にはいきなり経営を任せていくのではなく、段階を踏ませ、徐々に経営の根幹に触れさせていくことが大事です。それには社内での実務的な経験を積ませたり、経営のサポートをさせたりすることも必要となります。

社内における教育方法

  • 各部門をローテーションで経験させることにより、会社全般の業務経験と知識を習得させる
  • 役員等責任ある地位に就けて権限を委譲し、重要な意思決定やリーダーシップを発揮する機会を数多く与える
  • 経営者からの指導により、経営上のノウハウや業界知識、経営理念を承継する

社外における教育方法

  • 経営者としての人脈形成や新しい経営手法を習得させる
  • 後継者にある程度の実力が備わった段階で、子会社等の経営を任せる等経営者としての責任感を持たせる
  • 外部セミナー等で経営に関する知識を習得し視野を広げる

事業承継できる後継者を確保し、育成するには大変時間がかかるので、将来を見据えた後継者の選定および育成を早めにスタートすることが経営者には必要となります。

また、諸事情により後継者の選定や育成が間に合わない場合は、無理に推し進めるのではなく、M&Aなど社外の第三者に会社や事業を譲渡するといった選択肢も検討してみることを視野に入れておくとよいでしょう。


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