事業承継の基礎知識

不動産業界の市場動向

 

 

業界定義

不動産物件の所有者(不動産オーナー)と借手あるいは買手の間に入り、売買、貸借、交換の代理または仲介を行う事業です。

不動産仲介業は、「宅地建物取引業(宅建業)」に該当し、宅地建物取引業法の規定により、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けなければなりません。

宅建業の免許を取得するためには、1つの事務所に勤務する宅建業従事者5人につき1人の専任の「宅地建物取引士」を設置することが義務づけられています。

 

不動産仲介業といっても、貸家・アパートの賃貸仲介を専業としている業者から、

大規模な宅地の造成・販売、さらに建売住宅の建築販売などを兼業している業者まで、その規模・内容は幅広いものになっています。

 
 

主な事業者

売買仲介の取扱高上位企業をみると、デベロッパー系列では、三井不動産リアルティ(2012年4月にリハウス地域子会社5社吸収合併、三井不動産販売から社名変更)、住友不動産販売、東急リバブル(2013年持株会社体制に移行、東急不動産ホールディングスの傘下となる)の3トップに続き、野村不動産グループ、三菱地所リアルエステートサービス、大京穴吹不動産(大京子会社、2015年4月に大京リアルドが穴吹不動産センターを吸収合併し、商号変更)、大成有楽不動産販売グループなどが挙げられます。

 

仲介専業をみると、アパマンショップホールディングス(斡旋事業が該当)、エイブル&パートナーズ、ミニミニグループ、センチュリー21・ジャパン(伊藤忠商事系)、スターツコーポレーション(賃貸仲介事業が該当)などが有力企業です。賃貸仲介上位には、福屋工務店(大阪)や近鉄不動産(大阪)、ニッショー(愛知)など首都圏以外の企業も存在するが、東京に本社を置く企業が多いです。賃貸仲介はほとんどが非上場企業となっており、その他の不動産業種とあわせて行われることが多いです。

 

事業特性

【不動産仲介の商流】

不動産会社が売主(貸主)を見つけて買主(借主)と結び付け、両者の間での売買(賃貸)契約を締結し、その報酬として、仲介手数料を徴収する仕組みとなっています。

賃貸仲介の事業者で賃貸仲介のみを行う事業者は少なく、不動産売買の代理・媒介や賃貸物件の管理業務(保全業務等)を行っている事業者が大半です。

 

【仲介手数料は、宅建業法により賃料をベースに規定】

仲介手数料は、貸主と借主から合計で家賃の1か月分を受け取り、貸主とは契約を結び、別途の手数料を受け取ることもあります。

「元付け」業者は、貸主から業務手数料や広告料といった名目で受け取り、「客付け」業者が仲介手数料1ヵ月分を借主から受け取ります。

つまり、仲介手数料は賃料の影響を受けるのです。

 

住居用不動産の仲介は、1件当たりの契約賃料が低いため、多数の契約を常に成立させる「薄利多売」の収益構造となっています。

 

【フロービジネスの仲介業と、ストックビジネスの管理業からなる】

仲介業は、収益が仲介手数料のみというフロービジネスであり、このような季節変動に応じて損益の波も大きくなります。

賃貸の仲介において、住居用不動産は転勤や進学等の時期に賃借人の入替えが集中するため、季節による閑散期と繁忙期の差が激しく、特に学生対象のアパート・マンションについてはこの傾向が顕著です。

不動産管理の業務部分については、ストックビジネスであり、受託している物件から毎月一定の管理手数料がもたらされるため、比較的安定しています。
管理手数料は管理物件の賃貸収入の一定割合として定められることが多く、目安としては3~5%が相場となっています。
ただし、何らかの理由により管理物件が失われると急激に収益性が悪化する可能性があることには留意しなければなりません。

 

業界分析

賃貸住宅に住む世帯数は、単身世帯数の増加、および総世帯数の増加により、これまでは増加傾向で推移してきました。

その中でも64歳未満の単身世帯数の伸びが需要押し上げに寄与してきたものと考えられます。

しかし、今後、総世帯数は2020年付近をピークに徐々に減少していくものと推計されており、一般に借家の割合が低い65歳以上の世帯数も相対的に増加していくと予想されます。

 

また、不動産賃貸仲介の件数は、賃貸住宅に住む世帯数に加えて転居の頻度にも影響を受けますが、日本全体での転居数は緩やかに減少しています。

単価に関しても、賃貸の仲介手数料は賃料をベースにして決まるため、今後も単身世帯数の割合は徐々に増えれば、1室当りの賃料単価平均の低下が予想されることから、仲介手数料の単価も下落して行くことが予想されます。

今後、賃貸住宅に住む世帯数の減少、転居頻度の少ない高齢世帯の割合の増加による転居数の減少、仲介手数料の単価の下落により、不動産賃貸仲介の市場規模は徐々に縮小していくと考えられます。

 

つまり、従来型の独立事業は低コスト運営、大手事業者は直営店の全国展開、事業者のFC加盟によるブランド力の拡大を行っていくことが、会社として生き残っていく上で必要になってくるのです。

 

 

M&A動向

M&Aが盛んに行われている業界として、不動産業界が挙げられることも多いですが、
不動産業界とひとことで言っても、
不動産仲介を行う会社やビルメンテナンスやマンション管理行う会社、
他にも戸建て分譲やマンションデベロッパー、建築関連会社なども含めると、その種類は様々あります。
 

これらのうち、特にM&Aで人気の高い、つまり譲り受けたい企業の多い分野としてあげられるのが、
「ビルメンテナンス会社」「マンション管理会社」です。

その理由として、ビルメンテナンス事業においては、
1. 経済状況に左右されづらく安定収益をあげ易いこと
2. 規模の経済を働かせやすいこと
などがあります。                               
 
ビルメンテナンス事業のM&Aでポイントとなる点としては、従業員数(有資格者を含む)です。
 

昨今ではどの業界であっても同じかとは思いますが、
特にビルメンテナンス業界においても人材確保が大きな課題となっているため、
M&Aによる人材獲得を検討される企業も少なくありません。
 

また、マンション管理事業においては、
ストック型のビジネスで収支計画が立てやすく、安定収入を確保できるといった点が魅力となり、
比較的規模が小さな企業であっても、譲り受けたい企業が多い状況となっています。
 

何よりマンション管理事業において売上を拡大させるということは、管理戸数を増やすということですが、
既に別の会社で管理している物件の管理を自社に変更してもらうことは簡単ではありませんし、
新築物件の管理を受託するにも数が限られ、時間もかかってしまいます。

そのため、M&Aが有効であると考えられており、特に近年はその傾向が顕著に出ています。

 

これまで毎年の管理戸数の増加幅は年500戸~1000戸程度でしたが、2015年度時点の管理戸数は34,003戸と、前年より約5,000戸増加しています。

 

仲介業のM&A事例

2017年6月、南大阪を地盤に新築戸建て分譲、不動産仲介を展開するハウスフリーダム【8996】は、愛知県で不動産売買仲介及びリフォーム事業を展開するアイデムホームの全株式を取得し、完全子会社化すると発表しました。

この買収により、ハウスフリーダムは、アイデムホームをグループに迎えることで、一昨年、シティーホームの買収により進出を果たした中部エリアでの経営基盤を確固たるものとすべく、今回、アイデムホームの全株式を取得することとしました。

このように、エリア拡大と基盤強化を目的としたM&Aが、不動産仲介業社の間で増えてきています。

 

まとめ

・高齢化や人口減少による市場規模の縮小

・大手の地域参入による競争激化  など、

不動産仲介(管理)業界にとって、業界再編は避けられない状況です。

しかし、震災後のアベノミクスや東京オリンピック開催決定により、積極経営の一環としてM&Aによる事業拡大を図る企業が増えてきました。

消費増税やオリンピック後の反動を考えると今がM&Aを行うのにベストタイミングといえます。

 

 

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